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労働問題Q&A

退職勧奨の進め方と退職合意書の作成は

1 退職勧奨とは

 

 退職の勧奨とは、会社が従業員に対して、強制ではなく、自ら退職するように説得、勧誘するという形で働きかけをすることをいいます。個別の「肩たたき」や「希望退職者の募集」がこれにあたります。勧奨を受けた従業員が退職するかしないかは、あくまでも自分の判断で行うことです。解雇ではなく、「合意の退職」ですから、会社に解雇予告手当の支払義務はありません。

 

2 従業員のメリットは

 

 会社が退職勧奨を行う場合、従業員が勧奨に応じやすいように、一般的に、

 ①何力月分かの月例賃金(月給)を補償する

 ②退職金が「会社都合による退職」として、自己都合退職の場合よりも高くなる

 ③通常の退職時の退職金に一定額の上積みを行う

 ④会社が再就職の斡旋を行う

  などの取扱いをします。

  このほか、従業員にとっては、

 ⑤自分の意思による退職なので、経歴に傷がつかず、再就職しやすい

 ⑥雇用保険の離職理由が離職票に「会社都合」と記載されるので、

 3ヵ月間の給付制限をうけず、すぐに失業給付(基本手当)をもらえるというメリットがあります。

 

3 退職勧奨の限度は

 

 退職勧奨自体は違法ではありません。

 しかし、退職勧奨の方法が、その回数、時間数、人数、具体的な発言等により総合的に見て社会通念上許容できる程度を超え、従業員の自由意思を侵すものである場合には、その退職の合意は民法の規定により無効になったり、取り消されたりします。さらに慰謝料を請求されたり、パワハラであると訴えられる恐れもあります。

  例えば、人事担当者、上司等が、

  ①執拗な勧奨を繰り返す

  ②大勢で取り囲む

  ③配置転換や労働条件の切り下げをほのめかして退職に追い込む

  ④感情的になって暴言を吐く

  といったことを行ってばなりません。

 

4 退職合意書の作成は

 

 退職の合意が成立したら、その場でただちに合意書を書いてもらうようにします。その場では納得していても、あとになって考えが変わることも多々あります。「退職は無効だ」と訴えられ、トラブルにならないように合意したことを書面でとっておくことが大切です。