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労働問題Q&A

協調性欠如を理由とする普通解雇は

 当社は、従業員数50人ほどの会社ですが、営業部門の社員の中に次のような協調性のない者がいて困っています。

 

①職場の親睦会の行事に参加しない。

②上司が指示しても、返事をせず、直ちには動かない。

③所定勤務時開か終わると、他の社員が残っていても他者に告げず先に帰る。

④客との約束を守らず、時々トラブルを起こす。

 

 こうした点を理由に、「協調性がない」として解雇することは、法律上認められるものでしょうか。

判例で普通解雇が認められる合理的理由の一つとして「協調性を著しく欠くとき」があげられます。

 もちろん、会社は社員が協力連携し、組織として仕事を処理していくところですので、協調性は大切です。

 「協調性の欠如」を理由とする解雇の有効・無効を争う裁判例を見ると、そのほとんどは、「協調性の欠如」が非常に漠然としたものであるため、そのこと自体を争うよりも、業務命令違反、勤務態度不良、・会社の業務遂行の支障・混乱といった具体的な事実の有無、程度が争われ、それらの総合評価として「協調性の欠如」が問題になっています。

 また、上記の点について相当程度該当事実があったとしても、解雇が認められるためには、その前提として、会社側が本人に対して十分な注意、指導を行い、できれば配置転換を行うなど本人に改善の機会を与えることが必要です。

 さらに、「協調性の欠如」に基づく解雇の有効・無効を、訴訟で争うためには、本人についての具体的な問題事実と職場の支障・混乱の内容、会社として取った措置などを客観的に記録しておくことが欠かせません。

 質問の事案についてみると、本人に問題点はあるにしても普通解雇の理由となる「協調性の欠如」に該当する事実があったとは思われません。

 まして、これまでのところ会社側としての指導、配転といったできる限りの措置を取っているとは思われません。

 したがって、解雇は認められないと思われます。まず、是正指導などの措置を先に取るべきでしょう。