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労働問題Q&A

試用期間とはどのようなものか

 最近、社員を雇ってもすぐに辞めてしまったり、勤務が長く続いても仕事に対する責任感が無かったり、勤務が散漫であったりします。
  採用にあたり「試用期間」というものがあると聞きました。当社でも、ぜひ導入したいと思いますので、その内容を詳しく教えて下さい。
1 試用期間の目的は
 労働基準法では、試用期間を設けることが認められています(第12条第3項第3号)。試用期間とは、社員を採用するにあたって、はじめから正式な採用とせずに、3ヵ月とか6ヵ月とかの期間を限定して、「試みに採用する」ことを定め、その期間中に「当社社員として適格であるか否かを判定」する、「試験的な勤務期間」のことです。
 試用期間を設ける場合には、就業規則、または労働契約書にその名称と期間について明確な規定を設ける必要があります。

2 試用期間中の者の身分は
 試用期間中の者の身分について、最高裁判決では、使用者に労働契約の解約権は留保されていますが、すでに身分は社員であるとしています。
 したがって、試用期間中または終了後にこの者の本採用を拒否することは解雇にあたるので、①解雇の正当理由と②30日以上前の解雇予告(または解雇予告手当の支払い)が必要です。
 ただし、試用後14日以内の場合は、これらの解雇予告手続は不要です(労働基準法第21条第3号)。

3 試用期間の長さは
 試用期間の長さの限度については、労働基準法等に規定はありません。しかし、この期間中は、社員としての地位は不安定ですから、あまりにも長い期間とすることは労働者に不当な不利益を強いることになりますので、その規定や契約行為が公序良俗(民法)違反として無効になることもあります。
 そこで、労働基準法第14条が、労働契約の期間を定める場合には、原則として、1年を超える期間としてはならない旨を定めていることから、最高で1年と解すべきでしょう。裁判例においても、試用期間を定めているケ-スについて1年が長すぎるから無効であるという扱いはなされていません。
 各事業場の就業規則に定められている試用期間は、ほとんどが1ヵ月ないし6ヵ月で、中でも3ヵ月が最も多いといわれています。

4 試用社員を本採用拒否できる理由は
 試用期間中は適格性の勘案期間です。このため試用期間中、および試用期間終了後の社員を本採用拒否(解雇)できる正当事由の範囲は、本採用後の社員の解雇理由の合理性・相当性よりも広く認められます。
 具体的には、出退勤状況の不良、勤務成績不良、能力・性格の業務不適格性、上司の指示・命令に従わない、健康状態不良、協調性がない、重大な経歴詐称をした、犯罪行為などを行ったなどがあげられます。ただし、これらの場合であっても、無制限ではありません。