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労働問題Q&A

再雇用の場合の年休は従前の勤務年数と通算されるのですか

 当社では、この度定年退職を迎えた者を引き続き嘱託として再雇用することにしました。その場合の年休は、労基法上どのように扱うべきなのですか。正社員としての勤務は考慮せずに、再雇用後に新たに最低日数から付与するのか、従来の勤務年数も通算して付与するのか、この点はどのように考えたらよいでしようか。

 また、定年退職前に使い残した年休を再雇用後に使用することができるのかについても、法的な考え方をお聞かせください。

 定年後の再雇用の場合は、通常は労働関係が継続しているとみなされますので、年休の「継続勤務」の年数としては、従来の勤務を通算することになります。

 したがって、これまでの勤務で取得した年休は、再雇用されてからも使用できるものと考えられます。

  年休は、入社後6ヵ月間継続勤務し、その間全労働日の8割以上出勤してはじめて10日が付与され、その後、継続勤務1年ごとに日数を増加し最高20日まで付与されます(労基法39条)。

 ご相談は、定年退職者が、引き続き再雇用されている場合について、「継続勤務」といえるかどうかということです。 
 この継続勤務は、事業場における在籍期間を意味するものと考えられています。すなわち、定年退職者が嘱託として再雇用される場合は、形式的には従前の正社員としての労働契約とその後の嘱託としての労働契約は別個のものですが、これらは、身分が変わっても同一事業主の下で継続して勤務する実態は変わりませんので、労働関係が継続しているとみなされています。したがって、年休の権利に係る勤務年数は通算されることになります。 
 ただし、定年退職後、再雇用までに相当の空白期間があり、客観的に労働関係が断絶していると認められる場合には通算されません。 
 ご相談のケ-スも、定年退職から再雇用までの間に相当の空白期間があるような場合以外は、正社員として勤務した年数も通算して、年休が付与されることになります。 
 
<定年前に権利が発生した年休の利用>

 定年退職後の再雇用において、定年前に取得した年休を使用する権利を主張できるかについては、明確に判断した行政解釈や判例は見当たりませんが、前記継続勤務の考え方からすれば、同一の労働関係においては、年休の権利も継続しているものと考えるのが自然のように思われます。 
 一方、年休の権利は、在職中であれば、付与された年度に使われなかった権利は翌年度に繰り越される取扱いがなされますので、定年退職前に権利が発生していた年休についても、時効(2年)にかからない部分については、嘱託となった後でも取得できます。 
 ただし、定年退職前に年休をすべて取得していたり、年休取得を前提として、最終勤務日を設定していた場合などは、嘱託として再雇用されてから、最初の基準日(年休が発生する日)までの問、年休がないということも起こり得ます。 
 一般には、定年退職前のほうが、嘱託再雇用後より賃金が高く設定されているので、定年退職前に取得した方が、1年休取得日当たりの賃金が高くもらえるということも、定年退職前に取得する動機となる場合もあります。