人事・労務Q&A

2020.06.01

同じ仕事をしていれば同じ賃金を支給しなければならないのですか?

パート労働法では、もともと、都道府県労働局長による紛争解決の援助として、助言、指導、勧告などができることになっています。

また、紛争調整委員会による調停、いわゆる「ADR(裁判外紛争)」などもあり、労働者が相談・解決できるよう制度が設けられています。

正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差が認められるか否かについては、

  1. 職務内容(業務の内容と責任の程度)
  2. 職務内容・配置の変更の範囲
  3. その他の事情

のうち、それぞれの待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されることになります。

そのため、同じ仕事をしていても(職務内容が同じであっても)、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められる場合、職務内容・配置の変更の範囲やその他の事情が違えば、その違いに応じた待遇差は認められます。

なお、事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合には、正規雇用労働者との間の待遇差の内容や理由などについて説明しなければなりません。

ここに、有期契約労働者が対象に加わり「パートタイム・有期雇用労働法」に改正施行されます。

企業側が法律に基づく報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりした場合は、20万円以下の過料の対象になりますし、厚生労働大臣の勧告に従わない場合は、企業名公表もできるようになっています。

これからは多様な労働者を活用していかなければ人出不足の解消は難しい時代です。
非正規社員にも意欲的に仕事に取り組んでもらえるよう格差の解消を心掛けていきましょう。