「働き方改革関連法」では労働基準法、パート労働法など8つの法律を中心に改正され、2019年4月より段階的に施行されます。

労働基準監督署は、労働基準法、安全衛生法、最低賃金法等の法律を遵守しているかどうかを調査し、法違反があれば、「是正勧告書」を交付します。

また労働機基準法等違反とまでいかなくても、改善が望まれる点があれば、「指導票」を交付して、事業所に対して改善報告を求めてきます。

今後、労働基準監督官による立ち入り調査等の取り締まりがますます強化されます。

是正勧告を行う場合、監督署は事実確認のため、調査を開始します(臨検監督という)。

この場合、調査で提供が求められる資料としては 

①賃金台帳

②労働者名簿

③タイムカード

④就業規則

⑤労働条件通知書

⑥36協定

等があります。

この臨検には次の4種類があります。

(1)定期監督

  行政方針等により重点業種を絞り、定期的な計画の基に行われる調査

(2)申告監督

  従業員から、会社の法令違反等の通報、申告が監督署にあった場合に行わ

  れる調査です。臨検で最も多いケースです。

(3)再調査

(1)、(2)の調査以後の実施状況確認のための調査

(4)労働災害が発生した場合

 「災害時監督」と呼び、大きな労働災害が発生したときに調査が入ります。労働災害が起こった原因の調査や、再発防止を目的とする調査です。

 最近では、サービス残業等で訴えられる(2)の臨検が激増しています。

是正勧告の事例

①労働時間に関する指摘

・労働時間に起因する是正勧告としては、「1週40時間、1日8時間」の法定労働時間を超えても適正な割増賃金を支払わないケース

・休憩時間や法定の休暇を与えないで働かせたりしたケース

②割増賃金に関する指摘

・割増賃金の計算を間違えているケース

・固定残業手当の実務的取り扱いを間違っているケース

✾時間外労働手当を支払っていないケースとしては

・管理・監督者の支給対象者に割増賃金を支給していない

・裁量労働制や年棒制を導入している、

・固定残業で超過分を支払っていない

・残業時間を頭打ちにしている

・許可をしていない残業だとして認めない

・これまでの慣習から割増賃金を支払っていないケース

③36協定に関する指摘

・労働基準監督署に36協定を届け出せずに残業させたケース

・36協定で定めた残業時間を超えて労働させているケース

・過半数代表者の選出方法が適正でない

④就業規則に関する指摘

就業規則に起因した是正勧告では

・就業規則の作成・届出義務がある事業所であるにもかかわらず、作成・届出していないケース

・労働者代表の意見を聴いていないケース

・就業規則を労働者に周知していない

・変更した内容を届出していないケース等があります

派遣労働者を除き、パートタイマー、契約社員、嘱託社員を含めて常時10人以上の労働者を雇用する使用者は、必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出しなければなりません。

就業規則を変更した場合も、同様です。

ただし、10人の計算は事業場単位であり、企業単位ではありません。

企業全体では、10人をこえても、事業場単位で10人未満だとすれば、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出る必要はありません。

是正勧告に従わない場合の罰則

是正勧告は行政指導であって行政処分ではありません。つまり、法的な強制力はありません。

しかし、法令違反だと指摘されているため、虚偽の内容を伝えたり、繰り返し是正しない場合や悪質だと判断された場合は、書類送検される場合があります。

その結果社名が公表されるなど、各法律により罰則が適用される場合も出てきます。

是正勧告を受けたら、無視しないで早急に対応するべきでしょう。