こんなことが「公平な採用選考」に反します!
〈1〉 能力・適性に関係のない「本人に責任のない事項」を質問することなどは、「公平な採用選考」に反します。
また、思想・信条や宗教など「本来、自由であるべき事項」についても同様に、面接時に質問することや応募提出書類等の質問記載項目とすることは問題事象となります。
※就職差別につながる項目
〈本人に責任のない事項〉
1.本籍や生い立ち、出生地に関すること
2.家族構成や家族の学歴・職業・地位・収入など、家族に関すること
3.住宅状況.生活環境・家庭環境に関すること
〈本来、自由であるべき事項〉
4.宗教に関すること
5.思想.信条に関すること(支持政党、尊敬する人物、社会運動、購読新聞・愛読書など)
〈2〉 男女のいずれかを排除することや優先すること、男女で異なる求人情報を提供することなどは、公平な採用選考(男女雇用機会均等法)に反します。
①男女雇用機会均等法に違反する面接質問
1.男性についてのみ、または女性についてのみ結婚、出産後も働くことの意思を質問する
2.男性についてのみ、または女性についてのみ残業、休日出勤、転勤等が可能かを質問する
3.男性又は女性を敬遠しているかのような質問、発言をする
4.セクシャル・ハラスメントと思われる質問、発言をする
5.男女で異なった面接を行う(面接回数、男女別集団面接、集団面接―男性のみ質問等)
②募集・採用条件等
募集・採用条件等において、男女のいずれかを排除することも、男女のいずれかを優先することもできません。また、採用選考基準を男女で異なるものとすることや、求人情報の提供を男女で異なることも禁止されています。
1.男女雇用機会均等法に違反する募集する条件とは?
・「男性のみ」または「女性のみ」の募集
・男女別に採用予定人数を設定すること
・男女で異なった年齢制限を設けること
・「営業マン」「ウエイトレス」など、男性または女性を表す名称で募集職種を表記する
・会社案内や募集要項等において、「男性歓迎」「女性向き」等の表現をする。
2.男女雇用機会均等法に違反する就職情報提供とは?
・「会社案内」等の資料を女性には送付しないなど、男女で対応が異なる
・男女別に会社説明会を開催する
〈3〉 戸籍謄(抄)本の提出を求めることは、応募者本人の本籍地から「生まれ」「ところ」を調べることになり、部落差別につながるものです。
〈4〉身元調査を行うことは、公平な採用選考に反します。
※身元調査とは「本人の同意なく、自宅の近隣に問い合わせるなどして家族の状況・住居環境等や思想・信条等本人の適性・能力等と関係のない個人情報をー方的に収集すること」を言います。
〈5〉 採用選考時に、合理的な必要理由の説明もなく、―律的に健康診断を実施することは、仕事上、何ら影響のない応募者の健康情報まで把握し、そのことが合否判断に影響を与える可能性もあり、結果として公正な採用選考に反することになります。
〈6〉 労働者の募集・採用に際して、次の例外を除き年齢制限を設けることができなくなりました。
①定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
例 「60歳未満の方を募集(定年が60歳)」
②長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
例 「35歳未満の方を募集(職務経験不問)」
③技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(注1)「特定の年齢層」は、30歳~49歳の間で、5歳~10歳の幅の年齢層であること。
(注2)「相当程度少ない」とは、「特定の年齢層」と同じ年齢層の上下の年齢層と比較して労働者数が2分1以下であること。
④60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策の対象となる者に限定して募集・採用する場合
例 「60歳以上の方を募集」
但し、「60歳以上70歳未満の方を募集」(上限を定めることは不可)等は認められない。