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労働問題Q&A

私的行為による懲戒処分は

 当社は、従業員数30人ほどのスーパーマーケットです。先日、当社の従業員が通勤電車内で痴漢行為を行い、警察で厳重に注意され、会社内のうわさになっています。起訴はされていませんが、会社のイメージを悪化させないために、懲戒処分を考えています。法的に可能でしょうか。また、ある社員が自己破産宣告を受けましたが、この場合、懲戒処分を行うことは可能でしょうか。

 判例は、私生活での非行については、勤務先企業の事業活動に直接関連を有するもの、企業の社会的評価の著しい失墜をもたらすもののみが懲戒処分の事由になると、きわめて限定的に判断しています。
 裁判で、私生活上の非行と懲戒処分について争われたものとしては、ある社員が労働組合活動に関連した公務執行妨害行為をしたために懲戒免職処分になったものを無効とした事案や、深夜酩酊して他人の家に闖入し、住居侵入罪として罰金刑に処せられた社員に対する懲戒解雇を無効とした事案などがあります。
 それらの判例の傾向からすると、起訴されていないというこのケースについては、懲戒処分にならないか、処分されるとしても訓戒といった軽いものが妥当と思われます。また、懲戒処分ではありませんが、他の事業所に配置転換するというのも1つの方法です。
 また、自
己破産宣告については、個人としての財産管理の当事者能力の問題です。したがって、当人が企業の部課長といった管理者の場合はともかく、係員や作業員が自己破産となっても、それがただちに会社に具体的な損害を与えたり、会社の社会的信用を大きく失墜させることにつながらなければ、懲戒処分の事由にはならないと思われます。